お気付きでしょうか? → 「アイディア」は逆から読んでも
"あいでぃあ" です.
文字を見た瞬間に逆行形を読む習慣を身に付けると,
すぐに回文を発見できるようになります.


回文とは, 前から読んでも後ろから読んでも同じになる文章のことです.
文章的に少々分かりづらくても, ある程度意味が通れば許されます.
言葉遊びなので逆行形が常に完全な文字列になっているわけでは
ありませんが, 次のルールを知っておことで回文を理解しやすくなります.

一般的に濁音(だくおん)を清音(せいおん)と同じように読むことはOKです.
   例→ 「私が貸したわ」(わたしがかしたわ).
   例→ 「セーターを出せ」(せーたーをだせ).

さらに, 促音(そくおん)と音引き(おんびき)は無いものとして,
飛ばして読んだり, あるいは清音として読むこともあります.
   例→ 「出そーか, ピカソだ」(だそーか, ぴかそだ).
   例→ 「日韓円滑に」(にっかんえんかつに).

"う" や ”お”の文字を音引きに置き換えることもあります.
   例→ 「トーマス待とう」は (とーますまとー)と発音し,
      回文とみなすことができます.

"は" と "わ" が同じ発音(wa)になる場合, 置き換えてもOKです.
   例→ 「医師は詳しい」(いしはくわしい).

同じように "お" と "を" は置き換えてもOKです.
   例→ 「ナスを押すな」(なすをおすな)

文章の途中, または最後で " ? " や " ! " を入れてもよい.
   例→ 「さあヨガよ!朝!」(さあよがよあさ).


注意 1 : 書かない方がよい回文

回文なら何でも書いて良いわけではありません.
他人がいやがるような内容は, どんなに面白くても
発表すべきではありません.
また, 社会を混乱させる文章もやめておきましょう.
   書かない方がよい例→ 「良い内定ないよ」(よいないていないよ).
   書かない方がよい例→ 「楽屋に薬が」(がくやにやくが).
   書かない方がよい例→ 「弱いわよ阪神は弱いわよ」(よわいわよはんしんはよわいわよ).

注意 2 : 重複の禁止

   重複の禁止の例→ 「1位, 彼が1位」(いちいかれがいちい)
「1位」(いちい) はすでに回文になっています.
同じ回文を対照的に複数回使用すると, 自動的に長い回文になりますが,
このテクニックは禁止されています.



「トマト」と「しんぶんし」意外にも回文はたくさんありますよ.
もしかしたら自分が回文を言ったことに気が付いていないのでは?


- - - 3文字の回文 - - -         




- - - 5文字の回文 - - -          




- - - 7文字の回文 - - -          


*ここで文字数が奇数であることに気付いた人はGOODです.

「しんぶんし」は中心に「ぶ」という一文字があり,
その左右に対照的な文字列が作られています.

そうです, ほとんどの回文は文字数が奇数になっています
「奇数好き」(きすうすき)、、、回文でした.




*室町時代に作られた有名な回文和歌

「長き夜の 遠の睡ねむりの 皆目醒めざめ波乗り船の 音の良きかな」
 (ながきよの,とおのねふりのみなめざめ,なみのりぶねの,おとのよきかな)


「惜しめとも,ついにいつもと行春は,悔ゆともついにいつもとめしを」
(おしめとも,ついにいつもと ゆくはるは,くゆともついにいつもとめしを)


「むら草に,くさの名はもし具はらは,なそしも花の咲くに咲くらむ」


(むらくさに,くさのなはもしそなはらは,なそしもはなのさくにさくらむ)

*英語の回文もあります.

「 Madam, I’m Adam 」(マダム, 私がアダムです)

「 No, lemon, No, Melon 」(ノーレモン, ノーメロン)



*回文を取り入れた音楽

J.S.バッハの音楽の捧げものやハイドンの交響曲第47番,
モーツアルトの逆行カノンなど,
楽譜読むとメロディが回文になっている作品もあります.